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Excelでの受注管理はもう限界?システム化するメリットと移行手順

Excelでの受注管理はもう限界?システム化するメリットと移行手順

「受注表がいくつもあって、どれを見ればいいかわからない」
「注文の状況を確認するたびに担当者へ連絡している」Excelで受注管理を続けるうちに、こうした手間が増えていないでしょうか。

Excelは少ない準備で受注情報を管理できる便利なツールです。取引先や担当者が増えても、そのまま使い続けられる会社はあります。一方、複数のファイルへの転記や情報共有に時間を取られ、受注処理そのものが負担になっている会社も少なくありません。

受注管理を改善する方法は専用システムへの移行だけではありません。Excelの使い方を整えることで解決する問題もあれば、業務の流れを変えた方が良い問題もあります。

この記事ではExcel管理の限界を判断するポイントと、システム化によるメリットを紹介します。移行先の選び方から実際の切り替え手順まで解説するので、自社の受注業務を見直す際の参考にしてください。

Excelでの受注管理はいつ限界を迎える?

もちろん、Excelで注文を管理すること自体に、問題があるわけではありません。大切なのは今の業務に合った使い方ができているかどうかです。

専用システムを検討する前に、Excelのままで十分なケースと、運用を見直した方が良いケースを整理しておきましょう。

Excelでの管理を続けても問題ないケース

受注の流れが単純で、管理表を無理なく更新できているなら、Excelを使い続けることは全く問題ではありません。

担当者が注文内容を入力し、同じファイルで納期や対応状況を把握できている会社なら、新しいシステムを導入する意味は特にないでしょう。

Excelでの管理を継続しやすい条件は次のとおりです。

  • 受注情報を入力・確認する担当者が限られている
  • ファイルやシートが整理され、必要な情報を探しやすい
  • 入力ルールが統一され、担当者が変わっても扱える
  • 出荷表や請求書などへの転記が少ない
  • 受注状況の確認や月末の集計に大きな負担がない

Excelには関数やフィルター、入力規則など、受注管理に役立つ機能は全部備わっています。これらを使いこなせるなら、現在のファイルを改善するだけで済むこともあるでしょう。

ただ、管理を任せているのが1人でも、その人しか数式や入力方法を知らない状態は問題かもしれません。

ℹ️

休暇や退職で受注処理が止まらないよう、操作方法や管理ルールは共有しておきたいところです。

受注件数だけではシステム化の必要性を判断できない

「月に何件受注したら、Excelから移行すべきなのか」と迷う経営者もいるでしょう。

毎日一定数の注文があっても、入力から確認まで一つの管理表で完結しているなら問題はないですが、その反対に、件数が少なくても営業・事務・出荷の担当者が別々のファイルを使っていれば、確認や転記の手間が生じます。

判断する際は次の項目を確認してみてください。

  • 注文情報を何人で扱っているか
  • 同じ受注内容を何回入力し直しているか
  • 対応状況を担当者に聞かなければわからないか
  • 在庫・出荷・請求などの業務と情報がつながっているか
  • 入力ミスや確認漏れが実際に発生しているか

件数よりも、今の管理方法がどれだけ手間やミスを生んでいるかに目を向けると、自社に必要な改善を判断しやすくなります。

Excelでの受注管理が限界に近づく5つのサイン

Excelによる受注管理を見直した方が良い状態にはいくつか共通点があります。

忙しい現場では多少の不便があっても仕事を進めてしまいがちです。次の5つのサインが出ていないか、一度確認してみましょう。

① ファイルが増えてどれが最新版かわからない

これはよくネタにされるやつですが、実際、やってしまいますよね。筆者もよくWordでやってしまうので全く人のことは言えないのですが「受注表_最新版」「受注表_修正版」「受注表_最終」など。似た名前のファイルが増え、開くたびに正しいものを探しているなら、共有方法を見直したい状態です。

営業担当者が数量を変更しても、事務担当者が古いファイルを見ていたら、変更前の内容で処理が進んでしまいます。正しいデータを確認するための電話やメールも増えるでしょう。

原因がファイルの受け渡しにあるなら、クラウド上で一つのブックを共同編集する方法もあります。Excelには複数人で同じファイルを編集できる機能があるため、最新版の問題だけで専用システムが必要になるとは限りません。

ℹ️

まずは全員がどのファイルを使い、どこに保存しているのかを確かめてください。

② 同じ情報を何度も入力し、転記ミスが発生している

受注表に登録した顧客名や商品名、数量を、出荷表や請求書へもう一度入力していないでしょうか。

一件の注文を何度も転記する運用では数字の打ち間違いや入力漏れが起こりやすくなります。途中で注文内容が変更された場合は関連するファイルをすべて修正しなければなりません。

受注表だけ更新され、請求用のデータには古い数量が残る。そんな行き違いが起きれば、後から原因を探す時間まで必要になります。

改善を考える際は一件の注文がどのファイルを通り、何回入力されているかを書き出してみましょう。Excel内の参照やデータ連携で減らせる作業もあれば、業務をまたぐ仕組みが必要な作業もあります。

③ 受注状況や納期を担当者に確認しないとわからない

「この注文は出荷済みですか」
「納期の回答は終わっていますか」
こうした確認が頻繁に発生する会社では受注情報が十分に共有できていない可能性があります。

顧客名や注文日を記録していても、その後の対応状況が更新されていなければ、管理表を見ただけでは進捗がわかりません。

営業、事務、出荷など複数の担当者が関わる業務では誰がいつ更新するかを決める必要があります。「確認中」「出荷準備中」「完了」などの状況を記録する欄があっても、使われなければ意味がないためです。

確認の連絡が増えてきたら、ステータスの項目と更新ルールを見直しましょう。全員が同じ情報を確認できる運用が理想です。

④ 受注・在庫・出荷・請求の情報がバラバラになっている

受注管理は注文を記録して終わりではありません。商品がある会社なら在庫を確認して出荷し、納品後には請求処理へ進みます。

受注表と在庫表が分かれていると、注文が入っても在庫数の反映が遅れることがあります。出荷が終わった注文を請求用の表へ転記し忘れれば、請求漏れの恐れも。

複数のExcelファイルを使うこと自体が悪いのではなく、関連する情報を毎回手作業で照合している状態が負担になります。

特に、受注から請求までに何度も同じ情報を書き写している場合は業務全体の流れを整理してみてください。どの工程で情報が途切れているのかが見えやすくなります。

⑤ Excelの管理が複雑になり、特定の担当者しか扱えない

長年使っている受注表には関数やマクロを少しずつ追加しているものもあります。

最初は便利でも、数式の意味を作成者しか理解していなければ、商品を追加するだけでも慎重な作業が必要です。ほかの従業員が触ると計算結果が変わってしまうため、修正を一人に任せきりになっている会社もあるでしょう。

このように、特定の人がいなければ業務を進められない状態を「属人化」と呼びます。

管理表を作った担当者が異動・退職した後、誰も仕組みを直せなくなるのは避けたいものです。現在問題なく使えていても、入力方法や計算ルールを説明できる人がほかにいるか確認してください。

システム化する前に試したいExcel受注管理の改善方法

受注管理に負担があっても、必ずしもシステム開発を依頼する必要はありません。

まずはExcelの使い方と業務の進め方を見直してみましょう。比較的小さな変更で改善できる問題が残っているかもしれません。

管理項目と入力ルールを統一する

同じ顧客が「株式会社〇〇」と「(株)〇〇」で別々に登録されていると、取引先ごとの受注額を正しく集計しにくくなります。納期を入力する人としない人が混在していれば、受注状況の確認にも手間がかかるでしょう。

まずは管理表に必要な項目をそろえ、全員が同じルールで入力できるようすると楽になるはずです。

管理項目記録する内容
受注番号注文を識別するための番号
受注日注文を受けた日付
顧客名注文した取引先
商品・サービス名注文内容
数量・金額注文された数量と金額
納期納品予定日
担当者対応する従業員
対応状況未対応・処理中・完了など

必要な項目は業種や業務の流れによって変わります。使っていない列を増やすより、実際に確認する情報に絞った方が扱いやすくなるはずです。

項目を決めたら、誰が、いつ更新するのかも共有してください。入力欄を作るだけでは情報は新しくなりません。

共同編集や入力規則などの機能を活用する

ファイルの最新版がわからなくなる問題にはExcelの共同編集機能が活躍します。

ℹ️

Microsoft 365の対応環境でブックをOneDriveやSharePoint Onlineなどの対応する保存先に置けば、複数人で同じファイルを編集できます。共同編集にはファイル形式やExcelのバージョンなどの条件があるため、現在の環境で使えるか確認しておきましょう。

入力ミスを減らしたいなら「データの入力規則」も便利です。対応状況をドロップダウンから選ぶ形にしたり、数量の入力方法を制限したりできます。

ほかにも、フィルターで未対応の注文を表示する、条件付き書式で納期が近い行を目立たせるといった改善が可能です。

これらの機能で、入力のばらつきや情報共有の手間は減らせるかもしれません。</mark>ただ、別ファイルへの転記や請求ソフトとの連携まで、自動的に解決するわけではない点は押さえておきたいところです。

受注から請求までの業務の流れを整理する

Excelの管理表を整えても手間が減らない場合は、受注後の作業に目を向けてみましょう。

卸売業などでよく考えられる業務の流れは次のようなものです。

  1. 営業担当者が電話やメールで注文を受ける
  2. 事務担当者が受注表へ入力する
  3. 在庫管理表を確認して出荷できる数量を調べる
  4. 出荷担当者が別のファイルへ出荷状況を記録する
  5. 月末に受注・出荷情報を確認して請求書を作る

どこで同じ情報を入力しているのか、担当者間の確認が発生しているのかを書き出すと、改善の対象が絞れます。

受注表から出荷表への転記を減らせるだけで、日々の負担が軽くなる会社もあるでしょう。</mark>一方、無理にすべての情報を一つのExcelへまとめると、かえって管理しづらくなることもあります。

各工程について「担当者」「入力する情報」「次の工程への渡し方」を整理してください。新しいシステムを検討する場合にも、その記録が必要な機能を考える材料になります。

受注管理をシステム化する4つのメリット

Excelを整えても転記や確認の負担が残るなら、専用システムへの移行を考える段階かもしれません。

受注管理システムでは注文の登録・検索・対応状況の共有などを一つの仕組みにまとめられます。必要な機能を選ぶことで、これまで手作業だった処理も減らせるでしょう。

受注情報を一元管理でき、確認作業が減る

営業担当者の受注表と、事務担当者が使う管理表が別々だと、注文内容を変更するたびに情報を合わせる必要があります。

受注データを一つのシステムで管理すれば、権限を持つ従業員が同じ情報を確認できます。営業担当者が数量を修正した内容を、事務担当者も画面上で確認できる仕組みです。

ファイルを送り合ったり、担当者に最新版を尋ねたりする回数が減れば、注文処理も進めやすくなるでしょう。

顧客名や受注番号、納期で検索できる機能があれば、過去の注文を探す際にも役立ちます。

もっとも、システムを導入しただけでは情報は最新になりません。入力や更新の担当者を決め、日常的に使うルールを整えておくことが前提です。

データの転記や手入力を減らし、ミスを防ぎやすくなる

受注表の内容を出荷表や請求書へ何度も写しているなら、一度入力した情報を別の処理にも利用できる仕組みを作るのがおすすめです。

受注データから納品書を作成したり、請求処理に必要な情報を出力したりする機能があれば、同じ商品名や数量を入力し直す手間を減らせます。

転記する回数が少なくなれば、写し間違いや入力漏れが発生する機会も減るはずです。担当者は数字の打ち直しより、注文内容の確認や取引先への対応に時間を使いやすくなります。

注意したいのは「導入したシステムがどの作業まで対応しているか」という点です。

受注情報を一元管理できても、現在の請求ソフトとの連携機能がなければ、請求書への入力は残るかもしれません。製品の機能一覧だけで判断せず、今の転記作業のうち、どれがなくなるのかを確認しましょう。

対応状況や納期を共有し、受注の処理漏れを防ぎやすくなる

注文を受けてから出荷するまでには内容確認や納期回答など、いくつもの作業が発生します。

担当者ごとに進捗を管理していると、ほかの従業員が現在の状況を把握できません。確認済みの注文が未対応のまま残り、誰が次の処理をするのかわからなくなることもあるでしょう。

システムに注文ごとのステータスを持たせれば、対応が必要な案件を探しやすくなります。

  • 受注受付
  • 内容確認中
  • 納期確認中
  • 出荷準備中
  • 出荷完了
  • 対応完了

この中から「納期確認中」の注文だけを表示できれば、回答が必要な案件を一覧で確認できます。担当者や期限を登録し、必要に応じて通知する仕組みも良いでしょう。

必要なステータスは業種で変わります。商品を出荷する会社と、受注後に製作・施工を行う会社では流れが異なるため、自社の工程に合わせて設定することが大切です。

集計の自動化や他業務との連携を進められる

月末になると複数の受注表を集め、受注件数や金額を集計している会社もあるでしょう。

受注情報が一か所にまとまっていれば、そのデータを利用した集計が可能になります。</mark>管理したい内容に合わせて、次のような項目を表示することも可能です。

  • 月別の受注件数や受注金額
  • 顧客別の受注状況
  • 商品・サービス別の受注金額
  • 未出荷・未対応の注文数
  • 担当者別の処理状況

さらに、在庫管理や請求管理との連携も検討できます。受注が確定した際に在庫の引当情報を更新したり、出荷済みの案件を請求対象として抽出したりする方法です。

ただ、連携する業務が増えるほど、データの扱い方や例外処理の設計が必要になります。

最初は受注情報の共有や集計を優先し、運用しながら必要な連携を追加する進め方もあるでしょう。業務全体を一度に作り替える必要はありません。

Excelからのシステム化にはどんな選択肢がある?

Excelから移行すると決めても、方法は一つではありません。

既製の受注管理システムを使うほか、ノーコード・ローコードツールで仕組みを作ったり、自社の業務に合わせて開発したりなど、さまざまです。それぞれ得意なことと費用の考え方が異なるため、現在の問題に合うものを選びましょう。

既製の受注管理システムを導入する

既製の受注管理システムには注文情報の登録・検索・対応状況の確認など、一般的な受注業務に必要な機能が用意されています。

クラウド型なら、自社でサーバーを用意せずに使い始められるサービスもあります。必要な機能が標準でそろっていれば、個別に開発するより導入しやすいでしょう。

一方、取引先ごとに特殊な計算方法がある、承認手順が独特といった会社では標準機能だけでは足りない可能性もあります。

導入前に確認したい項目は次のとおりです。

  • 受注管理に必要な機能があるか
  • 自社独自の項目や業務手順に対応できるか
  • 利用人数によって料金が変わるか
  • 現在のExcelデータを取り込めるか
  • 会計ソフトなど、既存のツールと連携できるか

多機能でも使わない機能ばかりなら、費用に見合わないかもしれません。実際の操作画面を確認し、日常業務を無理なく進められるかも試してください。

ノーコード・ローコードツールで必要な機能を作る

受注情報を共有する簡単な仕組みなら、ノーコード・ローコードツールで作れる場合があります。

ノーコードとは基本的にプログラミングのコードをを書かず、用意された部品や設定を組み合わせてアプリを作る方法です。あの謎の英語のような言語の羅列を見ると蕁麻疹が出るタイプ(筆者含め)の方は、この方法がおすすめです。

入力フォームや注文一覧、対応状況の管理などはこうしたツールが得意とする機能の一つです。製品によっては通知や集計にも対応しています。

ただし、プログラムを書かなくても、受注番号の付け方や入力ルール、担当者ごとの権限は考えなければなりません。複雑な計算や外部システムとの連携では専門的な設定が必要になることもあります。

自社で作る際には担当者が変わっても修正できる状態を保つことが大切です。Excelの属人化を解消するつもりが、新しいツールでも同じ問題を抱えないようにしましょう。

自社の業務に合わせたシステムを開発する

既製のサービスでは対応しにくい業務があるなら、自社向けのシステム開発が選択肢になります。

検討されやすいのは次のような要望がある場合です。

  • 取引先ごとに異なる単価や計算方法を反映したい
  • 注文内容に応じて担当者へ作業を振り分けたい
  • 独自の製作工程や納期管理に対応したい
  • 既存の会計・在庫システムと連携したい
  • 現場の使い慣れた業務手順をできるだけ残したい

自社向け開発では<mark data-color="#FFFF00" style="background-color: rgb(255, 255, 0); padding: 2px 4px; border-radius: 2px;">現在の業務に合わせて入力画面や処理方法を設計できます。</mark>その分、希望する機能が増えると開発費用や期間も大きくなるため、優先順位を決めることが欠かせません。

受注状況の共有が一番の課題なら、最初は受注登録と検索、ステータス管理に絞る方法もあります。請求書作成や在庫管理との連携は運用を始めてから追加を検討しても良いでしょう。

開発会社へ相談する際は作りたい機能だけでなく、現在何に困っているかも伝えてください。Excelの運用改善で済む範囲を含めて検討しやすくなります。

3つの方法の主な違いを整理すると、次のとおりです。

比較項目既製のシステムノーコード・ローコード自社向けの開発
主な特徴用意された機能を利用するツールを組み合わせて仕組みを作る自社の業務に合わせて設計する
導入のしやすさ標準機能が合えば導入しやすい設計や設定が必要要件整理から開発を進める
業務への対応標準機能や設定の範囲内ツールの機能・制約による独自の業務にも対応しやすい
費用の考え方初期費用・月額料金など利用料金・構築費用・保守費用など開発費用・保守運用費用など
向いているケース一般的な受注管理を始めたい比較的シンプルな業務を改善したい独自の業務手順や連携が必要

会社が小さいから自社向け開発は不要、大きいから既製品では足りない、と単純には決められません。自社に必要な機能と、導入後の運用を基準に選びましょう。

Excelから受注管理システムへ移行する5つの手順

移行先が決まっても、今使っているExcelをすぐに止める必要はありません。

受注管理は日々の注文や顧客対応に関わる業務です。切り替えの途中で注文を処理できなくならないよう、現在の管理方法を整理し、必要な情報を引き継ぎながら進めましょう。

STEP1:現在の受注管理の流れと問題点を洗い出す

最初に、注文を受けてから納品・請求するまでの流れを整理します。

毎日行っている仕事でも、担当者が変わるタイミングや、情報を別のファイルに写す場面まで把握できているとは限りません。

次の項目を書き出すと、現在の運用を整理しやすくなります。

  • 注文を受ける方法(電話・メール・FAXなど)
  • 受注情報を入力する担当者
  • 使用中のExcelファイルと管理項目
  • 注文内容を確認・変更するタイミング
  • 在庫・出荷・請求との情報の受け渡し
  • これまで発生した入力ミスや確認漏れ

営業担当者が電話で受けた注文を事務担当者へ伝え、さらに出荷担当者が別の表に入力しているなら、転記作業が改善対象になりそうです。

一方、受注の進捗がわからず確認の連絡が増えているなら、情報共有の仕組みを優先する方が良いでしょう。

✓

現在の作業を細かく確認し「何を減らすためのシステム化なのか」を明確にしてください。

STEP2:システム化する範囲と必要な機能を決める

問題点が整理できたら、どの業務をシステム化するかを決めましょう。

受注管理には注文の受付だけでなく、納期確認、出荷、請求など多くの工程があります。すべてを一度に変更すると、必要な機能が増え、導入の準備にも時間がかかるでしょう。

まずは負担の大きい作業に必要な機能から優先順位を付けてみてください。

現在の問題必要になりそうな機能
最新の受注情報がわからない受注情報の一元管理・共有
注文の対応漏れが発生しているステータス管理・担当者の設定
納期確認に時間がかかる納期一覧・検索機能
月末の集計が負担になっている受注件数・金額の自動集計
請求書への転記が多い請求データの出力・連携

「あれば便利な機能」と「絶対に必要な機能」を分けると、開発や導入の範囲を考えやすくなります。

受注状況の共有が急務なら、入力・検索・ステータス管理だけを先に導入する方法もあります。その後の運用を見ながら、請求や在庫との連携を追加することも可能です。

一部の業務をExcelに残す場合は新しいシステムとの間で情報をどう受け渡すかまで決めておきましょう。

STEP3:移行先を選び、費用や運用方法を比較する

必要な機能が見えてきたら、既製のサービスと自社向け開発などを比較します。

料金が安くても、自社の業務に合わなければ別の手作業が残るかもしれません。反対に、必要な機能を絞って開発すれば、自社向けシステムでも対象範囲を小さくできます。

比較するときは次の点を確認してください。

  • 必要な機能を満たしているか
  • 日常的に使う従業員が操作しやすいか
  • Excelの既存データを移行できるか
  • 業務変更に合わせて機能を追加・修正できるか
  • 初期費用と月額・保守費用はどの程度か
  • 導入後の不具合や操作上の疑問に対応してもらえるか

複数社へ見積もりを依頼するなら、比較する機能の範囲をそろえることも重要です。

受注管理だけの見積もりと、請求書作成まで含んだ見積もりでは金額をそのまま比較できません。STEP2で整理した項目や業務の流れを共有し、同じ条件で提案してもらいましょう。

STEP4:Excelのデータを整理し、新しいシステムへ移す

新しい仕組みへ移す前に、現在のExcelに登録された情報を確認します。

長く使っている受注表では同じ顧客が異なる名前で登録され、商品名の表記もそろっていないかもしれません。そのまま取り込むと、新しいシステムでも検索や集計に支障が出る恐れがあります。

確認しておきたいのは次の項目です。

  • 顧客・商品の重複登録がないか
  • 日付・金額・商品コードの入力形式がそろっているか
  • 必要な情報が空欄になっていないか
  • 使わなくなった商品や取引先が残っていないか
  • 過去の受注履歴をどこまで移行するか

過去のデータをすべて移す必要があるとは限りません。未出荷・未請求の注文を優先し、処理済みの古い情報はExcelのまま参照用に保管する方法もあります。

ただし、過去の受注データを新しいシステムで集計したいなら、移行する範囲を広げる必要があるでしょう。

CSVなどの形式でデータを取り込めるシステムもありますが、Excelに組み込まれた関数やマクロまで自動で移せるとは限りません。データと処理の仕組みを分けて考え、元のファイルは必ずバックアップしておいてください。

STEP5:試験運用を行い、段階的に切り替える

システムが準備できたら、実際の業務を使った試験運用を行いましょう。

受注登録ができるだけでは十分ではありません。数量の変更やキャンセル、納期の調整といった日常的な処理も問題なく進められるか確認する必要があります。

  • 新しい受注を登録できるか
  • 注文内容の変更やキャンセルに対応できるか
  • 納期や対応状況が正しく更新されるか
  • 必要な担当者が情報を確認できるか
  • 集計結果や出力データが正しいか

切り替え直後は旧Excelと新しいシステムを並行して使う方法もあります。両方に入力する期間は負担が増えるため、受注件数や金額に差がないことなど、並行運用を終える条件を決めておくと良いでしょう。

締め処理や請求まで問題なく進められることを確認したら、日常的な入力先を新しいシステムに統一して、完了です。

以前のExcelは必要に応じて参照用として残し、新しい注文を両方へ入力し続けない運用にしてください。

受注管理のシステム化で失敗しないための注意点

システムを導入しても、現場の仕事が楽になるとは限りません。機能が不足していたり、従業員が使いこなせなかったりすると、以前より手間が増えることもあります。

導入前には費用だけでなく使い方や運用方法も確認しておきたいところです。

最初からすべての業務をシステム化しようとしない

せっかくシステムを導入するなら、受注から在庫、出荷、請求までまとめて管理したいと考えるかもしれません。

ただ、対象となる業務が増えると、必要な機能や例外的な処理も増えます。開発期間が長くなるだけでなく、現場の従業員が一度に覚える操作も多くなるでしょう。

最初はミスが起きやすい作業や、毎日時間を取られている工程を優先してください。

受注状況の共有に困っているなら、まずは注文の登録と進捗確認をできるようにするなど、あれもこれもと欲張らないほうが良いかもしれません。

初期費用だけでなく、保守・運用費用も確認する

受注管理システムを検討するときは導入時の金額だけで判断しないようにしましょう。

クラウドサービスでは月額料金が発生することが多く、利用人数や追加機能によって費用が変わる場合があります。自社向けに開発する場合も、サーバーの利用料や不具合対応など、継続的な費用が必要になることを想定しておきましょう。

費用の種類主な内容
初期費用システム導入・開発・初期設定など
データ移行費用Excelデータの整理・取り込みなど
月額・年額費用サービス利用料やサーバー費用など
保守費用不具合対応やシステムの維持管理など
追加開発費用新しい機能の追加や既存機能の変更など

データ移行や従業員向けの操作説明が見積もりに含まれていなければ、後から追加費用がかかる可能性もあります。

初期費用・運用費用・追加対応の条件を分けて確認し、数年間使った場合の負担を考えて選んでください。

現場の担当者が使いやすい仕組みにする

受注管理システムを毎日使うのは経営者だけではありません。注文を入力する事務担当者や、納期を確認する営業担当者にとっても、無理なく操作できることが大切です。

経営者は受注額を集計する機能を重視していても、入力担当者は注文を素早く登録できることを優先しているかもしれません。

操作に手間がかかると、従業員が以前のExcelを使い続けてしまい、情報が二重に管理される恐れもあります。

導入する前に、実際の作業を担当者に試してもらいましょう。入力欄の配置や更新方法について意見を聞くと、運用を始めてからの手戻りを減らしやすくなります。

あわせて、誰が注文を登録し、どのタイミングで対応状況を変更するのかも決めておいてください。システムの機能だけでなく、使い方のルールまで整えることが必要です。

Excelの受注管理とシステム化に関するよくある質問

Excelで何件くらいまで受注管理できますか?

Excelで管理できる受注件数に共通の目安はありません。

同じ件数でも、注文ごとの情報量や管理表の構造、担当者数によって負担は変わります。入力や集計を無理なく行えているなら、Excelを続ける選択もあるでしょう。

件数だけに注目せず、入力ミスの頻度や転記の手間、担当者が不在でも業務を回せるかを確認してください。

Excelの既存データは新しいシステムに移せますか?

ExcelやCSVのデータを取り込める受注管理システムはあります。</mark>ただし、取り込める項目や形式は製品によって異なります。

関数やマクロ、入力フォームなどはデータを取り込むだけでは再現できないこともあるでしょう。

移行前に顧客・商品・受注情報を整理し、新しいシステムで何を引き継ぐ必要があるか確認しましょう。元のファイルを残し、一部のデータで取り込みを試す方法も有効です。

小規模な会社でも受注管理をシステム化できますか?

小規模な会社でも受注管理のシステム化は可能です。

ただ、現在のExcelで問題なく仕事が進んでいるなら、無理に切り替える必要はありません。担当者が少なくても、転記や確認に多くの時間を取られている場合は改善を考える価値があります。

まずは現在の困りごとを整理し、予算や運用体制に合う選択肢を比較してみてください。

まとめ|Excelの受注管理に負担を感じたら、まず業務の整理から始めよう

Excelは受注情報を手軽にまとめられる便利なツールです。業務の流れがシンプルで、担当者が問題なく管理できているなら、使い続けても構いません。

一方、最新版の確認やデータの転記、受注状況の問い合わせが増えているなら、運用を見直すタイミングです。システム化によって、情報共有や転記作業、集計の負担を減らせる可能性があります。

最初に行いたいのは受注から請求までの業務を整理することです。そのうえで、Excelの改善で対応できるのか、既製のサービスを利用するのか、自社向けに開発するのかを比較しましょう。

TURTUNEでは岐阜県大垣市を拠点に、中小企業の業務に合わせたシステム開発を30万円から提供しています。

受注管理だけでなく、顧客管理や在庫管理なども含め、日々の仕事で負担になっている部分から必要な機能を検討できます。

「Excelでの管理を続けるべきか迷っている」「今の業務に合う仕組みがあるかわからない」という段階でも、現在の困りごとをご相談ください。

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✏️ この記事を書いた人

よしだ

よしだ

フリーランスのライターとして5年間活動。 代表とは高校からの友人。 趣味はサッカー観戦と料理。 毎週末、深夜に遠く離れたロンドンの赤いチームへ声援を送っているので月曜はグロッキー。 家にぬいぐるみが300体以上あり、生態には不明な点も多い。

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