業務システムは自作と外注どっちがいい?費用とメリットを比較
「Excelで管理している業務をもっと楽にしたい」「毎月の集計作業を自動化したい」
こうした悩みから業務システムの導入を考え始めたときに迷いやすいのが、自社で作るか、開発会社に外注するかという問題です。
以前は専門的な知識が必要だった作業も、今ではノーコードツールや生成AIを使って自作できる範囲が広がっています。簡単な集計や通知の自動化であれば、高額な開発費用をかけずに解決できることもあるでしょう。
その反面、複数の従業員が使うシステムや、受注・請求などの重要な業務を扱う仕組みでは、完成後の管理まで考える必要があります。
自作と外注のどちらがよいかは、作りたいものの複雑さや社内の体制によって変わります。費用が安いという理由だけで自作を選ぶのも、難しそうだからと最初から外注を決めるのも、必ずしも最適とは限りません。
この記事では、業務システムを自作・外注するメリットとデメリット、費用の違い、判断するための基準を解説します。既製サービスの活用や一部だけを外注する方法も紹介するので、自社に合った進め方を考えてみてください。
業務システムは自作と外注のどちらがいい?
結論からいうと、比較的簡単な業務改善であれば自作が向いている場合があります。一方、複雑な処理や長期的な運用が必要なシステムでは、外注を検討する価値があるでしょう。
ただ、業務システムを導入する方法は自作と外注の二択ではありません。すでに販売されているソフトやクラウドサービスを使う方法もあります。
最初に、それぞれの特徴を整理しておきましょう。
| 比較項目 | 自作 | 外注 | 既製サービス |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 社内の作業時間やツール代が中心 | 設計・開発費用が必要 | 初期設定費用などが発生する場合がある |
| 自由度 | 使用する技術や担当者のスキルによる | 要件に合わせて開発できる | 製品の機能・設定範囲による |
| 導入までの時間 | 小規模なら短期間で始めやすい | 設計・開発・確認の期間が必要 | 比較的早く利用を開始できる |
| 専門知識 | 作成・修正できる担当者が必要 | 開発部分を専門会社に任せられる | 基本的な操作や設定の理解が必要 |
| 運用・保守 | 原則として社内で対応 | 契約に応じて依頼できる | サービス提供会社が基盤を管理 |
| 向いている業務 | 簡単な集計・通知・部門内の管理 | 独自の業務処理や複数システムの連携 | 会計・勤怠など共通する業務 |
どの方法にも適した使い方があります。
まずは、自社が何を改善したいのかを基準に考えることが大切です。
簡単な業務改善なら自作で十分な場合もある
業務システムの自作と聞くと、プログラミングで一からアプリを開発することを想像するかもしれません。
しかし、必ずしもそこまでする必要はありません。
Excelの関数で集計を自動化したり、Googleフォームで受け取った情報をスプレッドシートにまとめたりすることも、業務改善の一つです。
もう少し複雑な作業なら、ExcelのマクロやGoogle Apps Script(GAS)を利用する方法もあります。
GASはGoogleが提供するプログラミング環境で、スプレッドシートの処理やメール通知などを自動化できます。最近では生成AIにコードの作成を手伝ってもらうことも可能になりました。
また、プログラミングをせずに画面上の操作でアプリを作る「ノーコードツール」も選択肢になります。
こうした方法は少人数で使う管理表や、決まった手順を繰り返す作業の自動化に向いています。
社内で対応できるなら、必ずしも開発会社に依頼する必要はないかもしれません。
複雑な仕組みや長期的な運用が必要なら外注を検討する
自作が難しくなりやすいのは、複数の業務や担当者が関わるシステムです。
受注管理を考えてみましょう。
注文内容をExcelに記録するだけなら、社内で管理表を作る方法でも対応できます。
ところが、受注データを在庫数に反映し、出荷状況を管理して、請求書の作成までつなげたいとなると、必要な仕組みは複雑になります。
複数人が同時に操作する場合にはデータの整合性や閲覧・編集の権限も考えなければなりません。誤って情報を削除した場合に備え、バックアップや復旧方法を用意することも重要です。
こうした設計を社内で行える人がいなければ、専門会社への外注が選択肢になります。
ただし、複雑なシステムは必ず外注しなければならないわけではありません。社内に開発・保守できる人材がいれば、自作や内製で対応することも可能です。
判断のポイントは、完成させられるかどうかだけでなく、その後も安定して使い続けられるかにあります。
既製サービスや部分的な外注で解決する方法もある
業務の内容によっては、自社専用のシステムを作らなくても解決できる場合があります。
会計や勤怠管理など、一般的な機能が整ったクラウドサービスが提供されている分野では既製品の利用が有力な選択肢です。
自社の業務をサービスの仕様に合わせられるなら、一から開発するよりも費用や導入期間を抑えられる可能性があります。
また、既製サービスで足りない部分だけを補うのもアリです。
顧客管理には既存のサービスを使い、自社独自の見積書を作成する部分だけ別の仕組みを用意する、といった形です。
社内で簡単なツールを試作し、難しい処理だけを開発会社に依頼することもできます。
最初から「全部自作する」「全部外注する」と決める必要はありません。
必要な機能を整理し、既製サービスで対応できる部分と、新しく作る必要がある部分を分けて考えましょう。
業務システムを自作するメリットとデメリット
自作の魅力は、外部へ依頼する費用を抑えながら、自社の業務に合わせて仕組みを作れることです。
最近は生成AIの力も借りられるため、以前より挑戦しやすくなっています。
ただ、作成したシステムを使い続けるには、修正や管理を担当する人も必要です。
自社の業務に合わせて少しずつ作り変えられる
自作のメリットの一つは、使いながら必要な部分を変更しやすいことです。
毎月作成している売上集計表に新しい項目を追加したくなったとします。
社内で作ったExcelやスプレッドシートなら、担当者が数式や入力欄を変更するだけで対応できる場合があります。
外部の開発会社へ依頼する必要がなければ、変更内容の説明や見積もりの確認を待たずに済むでしょう。
特に、業務の進め方がまだ固まっていない段階では、試しながら仕組みを整えられる点が便利です。
最初は必要最低限の機能だけを作り、使いにくい部分を修正していく。こうした進め方なら、最初から多くの機能を用意する必要もありません。
生成AIを利用すれば、数式の作成やプログラムの修正を手伝ってもらうこともできます。
ただし、AIが生成した内容が正しく動くとは限りません。計算結果の確認や、誤ったデータを入力した場合の動作確認などは必要です。
外注費を抑えられても社内の作業時間は必要になる
自作では<mark data-color="#FFFF00" style="background-color: rgb(255, 255, 0); padding: 2px 4px; border-radius: 2px;">開発会社に支払う費用を減らせます。
一方で、作成するための時間がなくなるわけではありません。
Excelの関数を調べたり、AIが作成したコードの動作を確認したりする時間は必要です。完成後に不具合が見つかれば、原因を調べて修正しなければなりません。
こうした作業を本業の合間に進める場合、担当者の負担が増えることもあります。
小さな集計ツールなら数時間で作れるかもしれませんが、入力内容によって処理が変わる仕組みや、複数のサービスを連携させるシステムでは、想定以上に時間がかかる可能性もあるでしょう。
また、ツール自体は無料で利用できても、機能や利用人数によって有料プランが必要になる場合があります。
自作にかかる費用を考える際は、ツールの利用料だけでなく、担当者が作成や修正に使う時間も含めて比較することが大切です。
作った担当者がいなくなると修正できない可能性がある
自作した業務システムで注意したいのが、作成者に管理が集中することです。
担当者が自分の仕事を効率化するために作ったツールは、その人が使う間は問題なく動くかもしれません。
しかし、異動や退職によって担当者が変わったとき、仕組みを理解できる人がいなければ修正が難しくなります。
取引先の帳票形式が変わったり、使っているサービスの仕様が変更されたりした際にも、対応できる人が必要です。
この問題を防ぐには、システムの目的や操作方法、使用しているサービス、管理するアカウントなどの情報を社内で共有しておくことが役立ちます。
プログラムを使用している場合は、コードや設定内容を適切に保管し、別の担当者でも確認できる状態にしておきたいところです。
自作すること自体が問題なのではありません。
作った本人しか管理できない状態を避け、会社として使い続けられるようにすることが重要です。
業務システムを外注するメリットとデメリット
外注のメリットは、システムを作る作業だけでなく、設計や運用に必要な専門知識を外部から取り入れられることです。
社内に開発経験のある従業員がいなくても、業務の内容を説明しながらシステム化を進められます。
その反面、開発費用が発生するほか、外注先との認識を合わせるための時間も必要になります。
自社に不足している設計や開発の知識を補える
業務システムの開発では、プログラムを作る前に決めなければならないことがあります。
誰が入力するのか、どの情報を保存するのか、管理者だけが変更できる項目はあるのか。
日常業務では当たり前になっている手順でも、システムにする際には細かく整理する必要があります。
そのため、業務システムの開発では、画面や機能を作る技術だけでなく、業務の流れを設計する知識も求められます。
経験のある開発会社なら、こうした内容を整理しながら必要な機能を検討できます。
社内では気づかなかった二重入力や、不要な確認作業が見つかることもあるでしょう。
ただし、どの開発会社でも業務の整理から対応してくれるとは限りません。
依頼先を選ぶ際は、要件が固まっていない段階でも相談できるか、現在の業務を理解したうえで提案してくれるかを確認する必要があります。
社内で開発する時間を減らし本業に集中しやすくなる
自作する場合、社内の担当者がシステムの設計や開発、動作確認まで行います。
外注であれば、これらの作業の多くを開発会社へ任せられます。
従業員が日常業務と並行してプログラムを作る必要がなくなるため、本業に使える時間を確保しやすくなるでしょう。
特に、システム開発の経験がない社員が一から勉強する場合は、必要な時間が読みづらくなります。開発のために新しい人材を採用するほどの規模ではない会社にとっても、外注は検討しやすい方法です。
もっとも、外注すれば社内で何もしなくてよいわけではありません。
現在の業務を説明したり、作成された画面を確認したりする作業は発生します。完成したシステムが実際の仕事に合っているかを判断できるのは、普段その業務を行っている人たちです。
開発会社に任せる部分と、社内で確認する部分を分けて進めることが大切になります。
初期費用や追加の改修費用が発生する
外注する際に気になるのは、やはり費用でしょう。
業務システムには決まった価格がなく、必要な機能や利用人数、既存のソフトとの連携などによって開発費用が変わります。
また、完成後に新しい機能を追加したり、業務の変更に合わせて修正したりする場合は、別途費用が発生することがあります。
最初の見積もりが安くても、必要な機能が含まれていなければ、結果的に費用が増えてしまうかもしれません。
外注先に依頼するときは、開発費用の総額だけでなく、どこまでの作業が含まれているのかを確認しましょう。
システムの保守についても同様です。
不具合が発生したときに対応してもらえるのか、機能の追加はどのような料金になるのか。完成後の対応範囲によって、使い続けるための費用は変わります。
さらに、将来ほかの会社へ保守を引き継ぐ可能性があるなら、データや設計資料などをどこまで受け取れるかも確認しておきたいところです。
外注するかどうかを判断する際は、初期費用だけを見るのではなく、数年間の運用まで考えて比較する必要があります。
業務システムの自作と外注にかかる費用を比較
業務システムの自作と外注を比べるとき、最も気になるのは費用ではないでしょうか。
自作なら開発会社への支払いを減らせますが、社内で作業する時間やツールの利用料は発生します。一方、外注では開発費が必要になるものの、専門知識を持つ人材を新たに採用せずにシステム化を進められます。
どちらが安いかを判断するには、完成までの費用だけでなく、使い始めてからの負担も考える必要があります。
自作ではツール代と社内の人件費を考える
Excelの関数やGASなどを使えば、追加のツール代をほとんどかけずに業務を自動化できる場合があります。
生成AIに数式やプログラムの作成を手伝ってもらえば、専門的な知識が少なくても取り組みやすくなるでしょう。
しかし、ツールの利用料が無料でも、作業する人の時間まで無料になるわけではありません。
自作する場合には、現在の業務を整理する時間、作成にかかる時間、動作確認や修正にかかる時間を考慮する必要があります。
仮に、担当者が業務ツールの作成に60時間を使い、その時間を1時間あたり2,500円と換算すると、社内の人件費に相当するコストは15万円です。
これはあくまで計算例ですが、外部への支払いがなくても、会社として一定の時間を使っていることがわかります。
作成後も、業務ルールの変更や不具合への対応が必要になるかもしれません。
ノーコードツールを利用する場合には、無料プランで使える機能や利用人数に制限があり、有料プランへの変更が必要になることもあります。
自作の費用を考える際は、次の項目を整理してみましょう。
| 費用項目 | 主な内容 |
|---|---|
| 作成時の人件費 | 業務整理・設定・開発・動作確認 |
| ツール利用料 | ノーコードやAIなどの有料プラン |
| 維持・修正の人件費 | 不具合対応・機能変更・動作確認 |
| 引き継ぎの負担 | 操作手順や設定内容の共有 |
社内に詳しい人がいて短時間で作れるなら自作が一番コスパが良いですが、担当者が何週間も本業を離れて開発するような場合は、外注した方がコスパが良くなるかもしれません。
外注費用は機能の数や開発範囲によって変わる
業務システムの外注費用は、開発する内容によって大きく異なります。
公開されている開発会社の費用目安を見ると、小規模なシステムで50万〜300万円程度、中規模なシステムでは300万〜1,000万円程度と紹介されることがあります。
ただし、これらは一律の価格ではありません。各社で対象とするシステムの規模や、見積もりに含める作業範囲も異なります。
顧客情報を登録・検索するだけのシステムと、受注内容を在庫や請求データに連携させるシステムでは、必要な設計や開発の時間が違います。
利用人数が増えたり、管理者と従業員で操作できる内容を分けたりする場合にも、追加の機能が必要になるでしょう。
また、現在使っているExcelからデータを移す場合は、そのデータを整理する作業が発生することもあります。
外注費用に影響する主な要素は次のとおりです。
- 入力・検索・集計などの機能数
- 独自の計算ルールや処理の複雑さ
- 利用人数と必要な権限設定
- 既存システムとの連携
- 過去のデータの移行
- セキュリティやバックアップの要件
TURTUNEでは、業務システム開発の費用目安を30万円からとしています。
ただし、これはすべてのシステムを30万円で開発できるという意味ではありません。必要な機能や業務の内容を確認したうえで、具体的な費用を見積もります。
最初から全社の業務を一つのシステムへまとめるのではなく、負担の大きい業務に絞って開発する方法もあります。
費用を抑えたい場合は、どこまでを最初に作る必要があるのかを整理することが大切です。
初期費用だけでなく数年間の総費用で判断する
業務システムは、完成してから数年間使い続けることも多いものです。
そのため、自作と外注を比べる際は、初期費用だけでなく3年や5年の総費用を考えると判断しやすくなります。
自作の場合は、作成時の人件費にツール利用料や保守の工数を加えます。
外注の場合は、初期開発費にサーバー費用や保守費用、必要に応じた改修費用などを加える形です。
| 比較項目 | 自作 | 外注 |
|---|---|---|
| 最初にかかる費用 | 社内の開発工数・ツールの設定 | 要件整理・設計・開発 |
| 毎月・毎年の費用 | ツール利用料・社内の管理工数 | サーバー費・保守契約料など |
| 変更が必要になった場合 | 社内で修正するための工数 | 追加開発費用など |
| 担当者が変わる場合 | 引き継ぎや再習得の負担 | 開発会社への引き継ぎ費用など |
3年間で比較するなら、それぞれの初期費用に36か月分の維持費を加えます。
自作に50時間かかるのか、200時間かかるのかによっても結果は変わるため、できるだけ実際の業務をもとに試算しましょう。
費用とあわせて考えたいのが、システム化によって減らせる作業時間です。
毎月10時間かかっている集計を2時間に減らせるなら、年間では96時間の削減になります。
その時間をほかの業務に使えることや、入力ミスが減ることにも価値があるでしょう。
ただ、同じ業務を自作と外注で実現できるとは限らず、完成する機能や保守の範囲も異なる場合があります。
単純な金額差だけで判断せず、必要な機能を満たせるか、無理なく運用できるかまで含めて比較してください。
自作と外注を判断する5つの基準
ここまで自作と外注の特徴や費用を比較してきましたが、自社にはどちらが向いているのでしょうか。
判断する際に確認したいのは、業務への影響、利用人数、扱うデータ、必要な連携、社内の管理体制という5つの項目です。
すべての条件を満たさなければ自作できないというものではありません。自社の状況に当てはめながら考えてみましょう。
① システムが止まったときに業務へどれだけ影響するか
最初に考えたいのは、そのシステムが使えなくなったときの影響です。
社内の担当者が個人的に使っている集計ツールなら、不具合が発生しても一時的に手作業へ戻せるかもしれません。
一方、受注内容を管理するシステムが止まれば、注文の確認や出荷の手配に影響する可能性があります。
業務を止められない場合は、不具合が発生した際の対応方法や、データを復旧する仕組みも必要です。
社内でこうした対応ができるなら自作も選択肢になりますが、管理できる人がいない場合は外注を検討した方がよいでしょう。
まずは、システムが一日使えなくなったとき、どの仕事が止まるのかを考えてみてください。
② 利用者が少人数か複数の部署にまたがるか
一人で使う業務ツールと、複数の従業員が同時に使うシステムでは、必要な仕組みが異なります。
特定の担当者が売上データを集計するだけなら、Excelでも十分に対応できる場合があります。
しかし、営業担当者が受注情報を入力し、倉庫担当者が在庫数を確認し、経理担当者が請求データを利用する場合はどうでしょうか。
それぞれが別のファイルを管理していると、どの情報が最新なのかわからなくなる可能性があります。
共通のデータを複数人で扱うなら、同時編集や権限管理、入力内容の履歴なども考える必要があるでしょう。
利用人数が増えるほど必ず外注が必要になるわけではありませんが、社内で管理する仕組みが複雑になる点は押さえておきたいところです。
③ 顧客情報や重要な取引データを扱うか
業務システムには、顧客の連絡先や取引金額、従業員の情報などを保存するものがあります。
こうしたデータを扱う場合は、便利に使えることだけでなく、安全に管理できることも重要です。
誰が閲覧できるのか、誤って削除した情報を復旧できるのか、退職した従業員のアクセスを停止できるのか。
自作する場合でも、これらの点を考える必要があります。
生成AIを使って開発するときは、顧客情報や社内の機密情報を、利用条件を確認しないまま入力しないことも大切です。
もちろん、外注すれば情報管理の問題がすべて解決するわけではありません。開発会社がどのようなセキュリティ対策を行うのか、データをどう管理するのかを確認する必要があります。
自社で必要な対策を設計・運用できるかどうかが、判断材料になります。
④ 既存のExcelや他のシステムとの連携が必要か
一つのツールだけで完結する業務なら、自作しやすい場合があります。
反対に、複数のシステムでデータをやり取りする場合は、連携方法を考えなければなりません。
受注管理のシステムに入力した情報を請求書の作成にも利用したい場合、データをどのように受け渡すかが重要になります。
ExcelやCSVファイルで情報を出力・取り込みできる場合もあれば、APIと呼ばれる仕組みを使ってシステム同士を連携させる場合もあります。
既存サービスによっては、必要な連携機能が用意されていなかったり、利用プランによって制限があったりすることもあるでしょう。
こうした仕組みを社内で設定できれば、自作でも対応可能です。
ただ、複数のサービスを連携させる場合は、どれか一つの仕様が変更されたときに影響が出る可能性があります。
完成後の修正まで社内で対応できるかを確認したうえで、必要に応じて専門会社への依頼を検討してください。
⑤ 社内で開発後の修正や引き継ぎができるか
自作と外注を判断するうえで、見落としたくないのが完成後の管理体制です。
生成AIの力を借りれば、プログラミングの経験が少なくても、動くツールを作れることがあります。
しかし、実際の業務で使い始めると、新しい項目を追加したくなったり、計算ルールを変更する必要が出てきたりするものです。
そのときに誰が対応するのかを決めておかなければ、便利だったツールが使えなくなるかもしれません。
社内で管理を続けるなら、設定内容やプログラム、使用しているアカウントなどを把握できるようにしておきましょう。
開発した担当者だけでなく、別の従業員でも引き継げる状態にできれば、自作のメリットを活かしやすくなります。
外注する場合も、納品後に誰が修正するのかは確認が必要です。
開発会社に保守を依頼する方法もあれば、日常的な設定変更は社内で行う方法もあります。
作ることよりも、使い続けられることを重視して選ぶのがよいでしょう。
自作で解決できるなら無理に外注する必要はない
業務システムを開発する会社として、TURTUNEにご依頼いただけるのはもちろんうれしいことです。それでも、Excelの関数を見直したり、無料のツールを使ったりするだけで解決できるなら、わざわざ外注費を払う必要はないと考えています。
TURTUNEの代表自身もエンジニア出身ではなく、日々AIを活用して開発に取り組んでいます。だからこそ、AIを使った自作という選択肢も積極的に検討していただきたいと思っています。
私たちが大切にしているのは、簡単にできることを必要以上に難しく見せず、お客様に合った方法を考えることです。
自社で解決できるなら、それが一番。難しい部分が出てきたときに、TURTUNEを頼っていただければと思います。
自作と外注を組み合わせて費用を抑える方法
業務システムは、すべてを自作するか外注するかの二択ではありません。
社内で対応できる部分と専門会社に任せる部分を分けることで、開発する範囲や費用を抑えられる場合があります。
まず自作で試して難しい部分だけ外注する
最初から完成形を目指さず、Excelやノーコードツールを使って小さく試す方法があります。
たとえば受注管理を改善したいなら、まずは受注内容の登録と一覧表示だけを作ってみる。実際に使うことで、必要な入力項目や改善したい操作が見えてきます。
そのうえで、在庫管理との連携や複雑な集計など、自社で対応できない部分を外注するのも一つの方法です。
ただし、試作品をそのまま本番用のシステムへ移せるとは限りません。作り直しが必要になる場合もあるため、試す段階では大きな費用や時間をかけすぎないことが大切です。
既製サービスを利用して独自の業務だけ開発する
すでに使っているサービスを活かし、足りない機能だけを開発する方法もあります。
会計処理は既製のクラウドサービスに任せ、会社独自の見積書作成や現場別の原価集計だけをシステム化する、といった組み合わせです。
既存サービスで十分な部分まで作り直す必要がないため、開発範囲を小さくできる可能性があります。
ただ、サービス同士を連携できるかは事前の確認が必要です。データをCSVで受け渡すのか、APIで自動連携するのかによって、必要な作業も変わります。
開発を外注して日常の運用は自社で行う
初期の設計や開発を専門会社へ任せ、完成後の運用は社内で行う方法もあります。
従業員の追加や商品情報の更新など、日常的に発生する作業は自社で対応できるようにしておくと便利です。一方、プログラムの修正や機能追加は開発会社へ依頼する形も考えられます。
この方法を選ぶ場合は、納品後に社内で変更できる範囲を確認しておきましょう。
管理画面から変更できる項目や、保守契約に含まれる作業を明確にしておけば、ちょっとした変更のたびに外注先へ連絡する負担を減らせます。
業務システムを外注する前に整理しておきたいこと
自社だけでは対応が難しいと判断した場合も、すぐに詳しい仕様書を作る必要はありません。
まずは現在の業務で困っていることと、改善したい内容を整理しましょう。開発会社へ相談する際にも、希望を伝えやすくなります。
現在の業務で何に困っているのかを明確にする
外注する前に、どの作業に時間がかかっているのかを書き出してみましょう。
「受注管理をシステム化したい」だけでは、必要な機能がわかりません。
毎日Excelへ同じ情報を入力しているのか、複数の担当者が別々のファイルを管理しているのか。それによって適した解決方法は変わります。
現在の業務の流れと、特に負担が大きい作業を説明できれば十分です。使っているExcelや帳票なども、相談時の参考資料になります。
最初に必要な機能と後から追加できる機能を分ける
業務システムを開発するときは、欲しい機能をすべて最初から作る必要はありません。
受注管理なら、注文内容の登録や検索は必要でも、売上をグラフで表示する機能は後から追加できるかもしれません。
まずは、その機能がなければ日常業務を進められないかどうかで優先順位を決めましょう。
実際にシステムを使う従業員にも確認し、最初に必要な機能を絞ることで、開発費用や導入時の負担を抑えやすくなります。
見積もりでは開発範囲と保守の内容まで確認する
開発会社から見積もりを受け取ったら、金額だけでなく、どの作業が含まれているかを確認してください。
特に、既存データの移行や動作確認、操作説明などが見積もりの対象になっているかは重要です。
また、納品後に不具合が発生した場合の対応や、機能を追加するときの費用も確認しておきましょう。
将来的に別の会社へ保守を依頼する可能性があるなら、データや設計資料、プログラムなどの引き渡し条件も判断材料になります。
同じ金額でも対応範囲は会社によって異なるため、何を依頼できるのかを明確にしてから比較することが大切です。
まとめ|自作でできることは自作し、必要な部分だけ外注しよう
業務システムの自作と外注には、それぞれメリットとデメリットがあります。
ExcelやAIを使って解決できる小さな業務改善なら、自作で十分な場合もあるでしょう。一方、複雑な処理や複数システムとの連携、長期的な保守が必要な場合は、外注を検討する価値があります。
どちらか一方に決めるのではなく、既製サービスを活用したり、難しい部分だけを外注したりする方法もあります。
TURTUNEでは、自社で解決できることまで無理に外注する必要はないと考えています。
それでも、社内だけでは難しい業務や、どう改善すればよいかわからない作業があれば、お気軽にご相談ください。
今使っているExcelや業務の進め方をもとに、どのような仕組みが必要なのかを一緒に考えていければと思います。
✏️ この記事を書いた人
よしだ
フリーランスのライターとして5年間活動。 代表とは高校からの友人。 趣味はサッカー観戦と料理。 毎週末、深夜に遠く離れたロンドンの赤いチームへ声援を送っているので月曜はグロッキー。 家にぬいぐるみが300体以上あり、生態には不明な点も多い。
