建設業の日報をデジタル化する方法|スマホで入力・集計する仕組み
現場から回収した作業日報を確認し、Excelへ転記する。月末には現場ごとの作業人数や時間を集計する。こうした事務作業に、毎月多くの時間を取られていないでしょうか。
建設業の日報はスマホから入力・提出できる仕組みに変えることで、現場と事務所の両方の負担を減らせます。入力した情報をデータとして保存すれば、作業時間や人工を現場別に集計することも可能です。
ただ、紙の日報を写真に撮って送るだけでは事務所での転記や集計は残ってしまいます。日報をデジタル化する際には提出方法とあわせて、集めた情報をどう管理するかまで考えることが大切です。
この記事では建設業の日報をデジタル化する4つの方法と、スマホ入力から自動集計までの仕組みを解説します。LINEを使った管理方法や実際の導入事例、現場に定着させるためのポイントも紹介しますので、自社の日報管理を見直す際に役立ててください。
建設業の日報をデジタル化すると何が変わる?
建設業の作業日報は「その日に誰が、どの現場で、何をしたのかを記録する書類」です。
紙やExcelで管理している会社も多いですが、日報を作成する人と集計する人が別々の場合、情報の受け渡しに手間がかかります。
デジタル化によって改善できるのは日報の書き方だけではありません。提出から確認、集計までの流れを変えられる点に大きな意味があります。
建設業の日報には何を記録する?
日報の記載項目は会社や工種によって異なりますが、基本となるのは作業日、現場名、作業内容、作業時間などの情報です。
一般的な管理項目を整理すると、次のようになります。
| 管理項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| 作業日・現場名 | いつ、どの現場で作業したか |
| 作業員名・人数 | 誰が作業に参加したか |
| 作業内容 | どの工種・工程を担当したか |
| 作業時間 | 作業の開始・終了時刻や実作業時間など |
| 使用資材・機材 | 使用した材料や重機、数量など |
| 作業の進捗 | 完了した作業や翌日への申し送り |
| 特記事項 | 現場で発生した問題、安全上の注意点など |
すべての会社でこれらの情報を毎日記録する必要があるわけではありません。
日報を現場の状況確認に使う会社と、人工や労務費の集計にも使う会社では求められる項目が変わります。
現場ごとの人件費を把握したいなら、作業員名や作業時間、工事を識別する情報が必要です。写真を使って進捗を確認する運用では画像を添付できる機能も役立つでしょう。
大切なのは記録する目的を明確にすることです。
日報をデジタル化するからといって項目を増やしすぎると、現場で入力する負担が大きくなります。日々の作業を振り返り、実際に必要な情報を選んでください。
紙やExcelの日報管理で発生しやすい問題
紙の日報を使っている場合、現場で記入した書類を事務所へ届けたり、写真やFAXで送ったりする必要があります。
管理する側は届いた日報を一枚ずつ確認し、作業人数や時間を集計表へ入力しなければなりません。
現場が複数ある会社では日報の提出がそろうまで集計を始められないこともあるでしょう。記入漏れが見つかれば、現場の担当者へ連絡して内容を確認する手間も発生します。
Excelで日報を作成している場合でも、管理方法によっては同じ問題が残ります。
作業員がそれぞれファイルを提出し、事務所で内容を一つの表にまとめているなら、転記作業はなくなりません。ファイルの保存先や名前が統一されていなければ、過去の日報を探すのにも時間がかかります。
日報を作成する側だけでなく、回収・確認・集計する側の負担も含めて見直す必要があります。
スマホ入力だけでなく、集計までデジタル化することが重要
紙の日報をスマホで撮影し、LINEで送る方法なら、現場から事務所へ書類を届ける必要はなくなります。
連絡が早くなる点では便利ですが、写真に写った作業時間や人数を、事務担当者がExcelへ入力し直しているなら、集計の手間はそのままです。
そこで考えたいのが、日報の内容を最初からデータとして登録する仕組みです。
現場名を一覧から選び、作業時間や人数を入力して送信する。登録された情報は日付や現場ごとに整理され、事務所のパソコンから確認できるようにします。
この形で日報を蓄積すれば、現場別の作業時間を合計したり、一定期間の人工を計算したりする仕組みにつなげられます。
つまり、日報のデジタル化には二つの段階があります。
一つは紙への記入や提出をスマホ入力に変えること。もう一つは入力されたデータを保存・集計し、事務所での作業を減らすことです。
月末の集計まで効率化したい会社では後者まで対応できるかが重要な判断基準になります。
建設業の日報をデジタル化する4つの方法
日報をデジタル化する方法は専用アプリの導入だけではありません。
Googleフォームなどの入力フォームを利用する方法や、LINEとシステムを組み合わせる方法もあります。
必要な機能と現在の業務に合わせて選びましょう。
① Googleフォームなどの入力フォームを使う
できるだけ費用を抑えて始めたい場合はGoogleフォームなどの入力フォームを利用する方法があります。
現場名、作業員名、作業時間、作業内容などの入力欄を用意し、従業員へフォームのURLを共有する仕組みです。
作業員はスマホでURLを開き、その日の作業内容を入力して送信します。Googleフォームで集めた回答はGoogleスプレッドシートに保存することが可能です。
回答を一覧で確認できるため、紙の日報を見ながら一件ずつ転記する作業を減らせます。
現場名を選択式にしたり、必須項目を設定したりすれば、表記の違いや入力漏れも抑えやすくなるでしょう。
一方、フォームを作成しただけで人工や労務費の集計まで完了するわけではありません。
現場別の合計を求めるにはスプレッドシートの関数や集計表などを設定する必要があります。提出済み・未提出の確認についても、別途管理方法を考えておきたいところです。
入力項目が少なく、まずは一つの現場でデジタル化を試したい会社に向いています。
② LINEを使って日報を入力・提出する
現場の従業員が普段からLINEを使っているなら、その操作に慣れていることを活かした日報管理も考えられます。
方法は大きく二つです。
一つはLINEのトークへ日報の内容や写真を送る方法。もう一つはLINEから専用の入力画面を開いたり、決められた形式で情報を送信したりして、日報データをシステムへ登録する方法です。
前者は連絡手段を変えるだけなので始めやすい反面、作業時間や人数を自動で集計するには向いていません。
後者なら、現場名・作業員名・作業時間などを整理して保存し、集計に利用できる仕組みを構築できます。
ただし、LINEの通常のグループトークに日報を送るだけで、自動集計まで実現できるわけではありません。
LINE公式アカウントのMessaging APIなどを利用し、送信された情報を受け取って保存する仕組みや、入力用のシステムを用意する必要があります。
開発や設定は必要になりますが、現場での操作をできるだけ簡単にしたい会社にとっては有力な選択肢です。
また、業務で利用する場合は個人用アカウントと仕事の情報をどう分けるか、誰が日報を閲覧できるかといったルールも検討してください。
③ 建設業向けの日報アプリを導入する
日報管理に必要な機能がそろったサービスを利用したいなら、建設業向けの日報アプリが候補になります。
スマホからの入力や写真の添付、提出状況の確認に加えて、人工・工数の集計などに対応した製品もあります。
日報だけを管理するシンプルなアプリから、工程管理や原価管理まで扱えるものまで、機能の幅はさまざまです。
選ぶ際は機能の多さよりも、日々の業務に合っているかを確認しましょう。
現場で作業員が入力する項目と、事務所で確認・集計したい項目が一致していることが重要です。
人工の計算方法や日報の書式が会社独自のルールになっている場合、標準機能では対応できないこともあります。
無料体験やデモが利用できる製品なら、実際の作業員に触ってもらうと判断しやすくなるでしょう。入力に時間がかからないか、現場名や作業内容を選びやすいかなど、普段の仕事を想定して確認してください。
④ 自社の業務に合わせた日報管理システムを開発する
既製のアプリでは必要な集計ができない場合は自社向けに日報管理システムを開発する方法があります。
建設会社によって、管理したい情報は異なります。
現場別の人工だけを把握したい会社もあれば、作業員ごとの稼働時間や工種別の実績、協力会社の作業状況まで管理したい会社もあるでしょう。
自社向けの開発なら、現在の日報に記載している項目を整理し、必要な入力画面や集計機能を設計できます。
現場ではスマホから簡単に入力し、事務所ではパソコンで集計結果を確認する仕組みも構築可能です。
さらに、日報のデータを原価管理に利用したい場合には労務費の単価や工事ごとの予算と組み合わせる方法も考えられます。
開発費用は機能によって変わるため、最初から多くの機能を盛り込む必要はありません。
日報の入力と現場別の人工集計だけを先に整え、運用に慣れてから必要な機能を追加する進め方もあります。
自社に合ったシステムを考える際は「スマホから入力したい」という要望だけでなく、今どの集計作業に時間がかかっているのかまで整理しておきましょう。
4つの方法を比較すると、次のようになります。
| 方法 | 主な特徴 | 向いている会社 |
|---|---|---|
| Googleフォームなど | スマホ入力と回答の一覧化から始められる | まず小規模に試したい |
| LINEを利用する方法 | 使い慣れた操作を活かせる。自動集計には連携の仕組みが必要 | 現場の入力負担を減らしたい |
| 建設業向け日報アプリ | 入力・提出管理・集計などの機能を利用できる | 標準機能が業務に合っている |
| 自社向けシステム開発 | 入力項目や集計方法を業務に合わせて設計できる | 独自の管理ルールがある |
自社で取り組む場合は現在の日報をどこまで変えたいのかが選択の基準になります。
紙の回収をなくすことが目的なら、入力フォームでも対応できるかもしれません。月末の人工集計や原価管理まで改善したいなら、必要なデータをどう保存・計算するかまで検討する必要があります。
スマホで入力した日報を自動集計する仕組み
日報のデジタル化で月末の作業を減らすには現場から送られた情報を集計できる形で保存することが重要です。
紙の日報を写真に撮って送る方法では事務所の担当者が内容を読み取り、人数や作業時間を計算する必要があります。
一方、現場名や作業時間をデータとして登録する仕組みなら、その情報をもとに自動集計できます。
基本的な流れはスマホでの入力、データの保存、集計、業務への活用という4つの段階です。
STEP1:現場で日報の必要項目を入力する
最初に、作業員がスマホから日報を入力できる画面を用意します。
ここで重要なのは必要な情報を記録しながら、入力の負担をできるだけ減らすことです。
現場名や作業内容が毎回自由入力になっていると、表記にばらつきが生じます。同じ現場でも「大垣A工事」と「A工事現場」のように異なる名称が登録されれば、後から集計する際に整理が必要になるでしょう。
そのため、現場名や作業区分は一覧から選択できる形が便利です。
日付を自動入力したり、前回の入力内容を呼び出したりする機能も、日報の作成時間を減らすために役立ちます。
作業時間については開始・終了時刻を入力する方法と、実際に作業した時間を入力する方法があります。どちらが適しているかは会社が日報を何に利用するかによって異なります。
複数の現場を担当する作業員がいるなら、現場ごとに作業時間を分けて記録できる仕組みも必要です。
最初から入力欄を増やしすぎず、現場の従業員が毎日無理なく使える画面を目指しましょう。
STEP2:日報データを現場別・作業員別に保存する
スマホから送信された日報は日付や現場名、作業員名などと紐づけて保存します。
単に文章を受け取るのではなく、それぞれの情報を項目ごとに管理することで、後から検索や集計に利用できるようになります。
日報データの基本的な構造は次のようなものです。
| 日付 | 現場 | 作業員 | 作業内容 | 作業時間 |
|---|---|---|---|---|
| 11月2日 | A現場 | 山田 | 配管作業 | 7時間 |
| 11月2日 | A現場 | 佐藤 | 配管作業 | 6時間 |
| 11月2日 | B現場 | 鈴木 | 設備点検 | 5時間 |
※架空の入力例です。
この形式で保存しておけば、A現場の作業時間だけを抽出したり、山田さんの1か月分の作業実績を確認したりできます。
また、提出状況を記録する仕組みを設ければ、日報が届いていない作業員を確認することも可能です。
複数の現場を管理している会社では誰がどの現場で作業していたのかを一覧で確認できるだけでも、問い合わせや確認の負担を減らせるでしょう。
ただ、送信された内容に間違いがあれば、保存されるデータも正しくありません。提出後に修正できる範囲や、管理者が内容を確認する手順も考えておく必要があります。
STEP3:作業時間や人工を自動集計する
日報をデータとして蓄積できれば、現場別・作業員別の集計に利用できます。
建設業では作業員をどの現場に何人配置し、どれだけの時間をかけたかを把握するために「人工(にんく)」という単位が使われます。
人工は作業に投入した人員の労働量を示すものです。1日を何時間として換算するか、半日作業をどう扱うかなど、集計方法は会社の運用に合わせて決める必要があります。
仮に1人工を8時間として換算するルールなら、同じ現場で4時間作業した実績は0.5人工として集計できます。
この計算ルールをシステムに設定しておけば、毎月の実績を手作業で合計する必要がなくなるでしょう。
集計できる情報には次のようなものがあります。
- 現場ごとの作業時間・人工
- 作業員ごとの稼働実績
- 工種ごとの作業時間
- 日別・月別の作業実績
- 現場ごとの人員配置状況
必要に応じて、集計結果をExcelやCSV形式で出力する仕組みも考えられます。
ただし、日報の作業時間と勤怠管理上の労働時間は必ずしも同じではありません。
一日に複数の現場を回る場合、現場間の移動時間などをどう扱うかによって、必要な記録が変わります。給与計算にも利用するなら、就業規則や実際の労働時間の管理方法を踏まえた設計が必要です。
STEP4:集計したデータを原価管理や工事の振り返りに活かす
日報から集計した作業時間や人工は工事ごとの原価を把握する材料にもなります。
現場にどれだけの人員を投入したのかがわかれば、会社で定めた労務費の単価などを使い、人件費を計算する仕組みにつなげられます。
ただし、人工を集計することと、工事の利益率を計算することは別です。
工事の利益率を把握するには売上に加えて、労務費・材料費・外注費など、必要な原価情報をそろえる必要があります。
日報だけでは把握できない費用もあるため、どこまでの情報をシステムで管理するのかを決めておきましょう。
集計した作業実績は工事が終わった後の振り返りにも役立ちます。
当初の見積もりでは5人工を想定していた作業に、実際には7人工かかったのであれば、作業条件や工程を確認するきっかけになります。
同じような工事を受注する際に、過去の作業時間を参考にできる点もメリットです。
日報を単なる提出書類として扱うのではなく、現場の状況を把握し、次の仕事に活かすための情報として蓄積していきましょう。
建設業の日報をデジタル化する3つのメリット
日報管理を見直すことで、現場での記入作業だけでなく、事務所での確認や集計も効率化できます。
特に効果を感じやすいのは日報の提出、月末の集計、複数現場の情報共有という3つの場面です。
現場での日報作成・提出にかかる手間を減らせる
紙の日報を使用している会社では作業終了後に用紙へ記入し、事務所へ提出する必要があります。
提出するためだけに事務所へ戻ったり、書き終えた日報を写真で送ったりしているなら、スマホ入力へ切り替えることで手順を減らせるかもしれません。
現場名や作業内容を選択式にすれば、毎回同じ情報を書き直す必要もなくなります。
写真を添付できる仕組みなら、文章だけでは伝えにくい作業状況も共有しやすくなるでしょう。
一方、スマホ入力に慣れていない従業員にとっては新しい操作そのものが負担になる可能性もあります。
入力画面の使いやすさを確認し、必要な項目をできるだけ絞ることが、継続して使ってもらうためのポイントです。
事務所での転記や月末の集計作業を減らせる
日報のデジタル化によって、特に負担が軽くなる可能性があるのが事務所側の作業です。
紙の日報を回収してExcelに転記している会社では毎月同じ情報を入力し直しています。
現場から送られた情報がデータとして保存され、作業時間や人工を自動で集計できれば、この転記作業を省けるでしょう。
集計結果を確認するだけで済む部分が増えれば、月末に事務作業が集中する状態も改善しやすくなります。
入力された内容をそのまま計算できる点は便利ですが、誤ったデータまで正しくなるわけではありません。
未提出の日報や入力内容の間違いを確認できる仕組みも整え、集計結果を安心して使える状態にしておきたいところです。
複数現場の作業状況を確認しやすくなる
同時に複数の現場が動いている会社では経営者や管理者がすべての状況を把握するのは簡単ではありません。
現場ごとに日報を保存しておけば、どの現場に何人が入り、どのような作業をしたのかを確認しやすくなります。
作業時間や人工を一覧で把握できれば、人員配置の偏りや予定との違いに気づくきっかけにもなるでしょう。
日報が提出された時点で内容を確認できるため、月末まで待たずに作業実績を把握できることもメリットです。
ただ、日報に作業時間しか記録していなければ、工事の進捗まで正確に判断できるとは限りません。進捗管理にも活用したい場合は完了した作業や施工数量など、必要な情報を追加することになります。
会社として何を把握したいのかを明確にすると、日報データを有効に活用しやすくなります。
【導入事例】LINEでの日報入力に切り替え、月末の集計作業を解消
TURTUNEでは建設業の会社に対して、日報管理のデジタル化を支援した事例があります。
この会社では日報を記録する作業だけでなく、月末の給与計算や現場別の経費集計にも負担がかかっていました。
日報の入力方法を変え、集計までを一つの仕組みで管理することで、経営者が抱えていた事務作業を改善した事例です。
導入前:社長が社員全員分の日報を手書きで記録していた
建設業A社では社員が現場から戻ると、社長が一人ひとりの作業内容を聞き取り、メモ帳に記録していました。
その日の仕事を確認するだけなら、難しい作業ではないかもしれません。しかし、毎日繰り返すとなると、社長自身が時間を確保しなければなりません。
さらに月末にはメモ帳に残した記録を確認しながら、社員ごとの稼働日数や作業時間を集計していました。
現場ごとの人件費や経費もExcelへ入力しており、集計は社長一人に集中していたそうです。
公式サイトでは月末に丸一日かけて集計していたことが課題として紹介されています。
記録の方法や計算ルールを社長だけが把握している状態ではほかの従業員へ作業を引き継ぐことも容易ではありません。
導入後:社員がLINEから入力し、現場ごとのデータを自動集計
この課題に対して、TURTUNEではLINEを利用した日報入力と、データを自動集計する仕組みを構築しました。
社員自身がスマホから日報を入力できるようになったことで、社長が毎日作業内容を聞き取ってメモ帳に記録する必要がなくなりました。
入力された日報は現場ごとに分類され、作業実績の集計にも利用されます。
これまで社長が手作業で確認していた社員ごとの稼働日数なども、日報データをもとに集計できるようになりました。
日報の作成者を社長から社員へ変えただけではなく、月末の計算に使う情報までつなげたことが、この改善の特徴です。
なお、LINEの具体的な入力画面や項目の設定方法については公開されている情報だけでは確認できません。ここでは公式サイトに掲載された導入内容の範囲で紹介しています。
結果:月末の集計作業がゼロになり、現場別の利益率も把握できるように
TURTUNE公式サイトではこの取り組みによって<mark data-color="#FFFF00" style="background-color: rgb(255, 255, 0); padding: 2px 4px; border-radius: 2px;">月末の集計作業がゼロになり、現場ごとの利益率が見えるようになった</mark>と紹介されています。
日報の詳細事例記事では社員ごとの稼働日数や残業時間を手で数える必要がなくなり、社長の作業が最終確認中心に変わったこと</mark>も説明されています。
また、現場ごとの人件費を工事の進行中に確認できるようになった点</mark>も成果の一つです。
以前は月末にExcelへ入力して初めて把握していた数字を、より早い段階で確認できるようになりました。
ここで注目したいのは日報の入力方法だけを変更したわけではない点です。
社員が入力した情報を、給与計算に必要な集計や現場別の費用管理へ活用できるようにしたことで、社長に集中していた作業を減らしました。
日報をデジタル化する目的は必ずしも紙をなくすことだけではありません。
毎日の記録を、その後の集計や管理業務にどうつなげるかまで考えることで、改善できる範囲が広がります。
詳しい導入前後の変化はTURTUNEの「社長がメモ帳で日報管理——その月末、何時間かかっていますか?」でも紹介しています。
建設業の日報管理ツールを選ぶ際の4つのポイント
日報管理ツールを選ぶ際は機能の多さや料金だけで判断しないことが大切です。
事務所では便利に見える仕組みでも、現場の従業員が入力しづらければ、日報が集まらなくなる可能性があります。
導入後の運用まで考え、次の4つのポイントを確認しましょう。
現場の従業員がスマホで無理なく入力できるか
日報をデジタル化しても、入力に時間がかかるようでは現場の負担を減らせません。
特に確認したいのは現場名や作業内容の入力方法です。
毎日同じ現場で働いているのに、そのたびに住所や工事名を入力するのは手間がかかります。選択式にしたり、前回の入力内容を呼び出せるようにしたりすると、操作を減らせるでしょう。
数字の入力欄が小さすぎないか、送信したことが画面上でわかるかといった点も、使いやすさに関わります。
現場にはスマホの操作が得意な人もいれば、慣れていない人もいます。管理者だけで画面を確認するのではなく、実際に日報を提出する従業員に試してもらうことが重要です。
入力に迷った箇所があれば、操作説明を増やす前に、画面そのものを簡単にできないか検討してみましょう。
現場別・作業員別など必要な集計に対応しているか
日報アプリには提出された内容を一覧で確認する機能があっても、人工や労務費の集計までは対応していない製品があります。
導入する前に、事務所でどのような集計を行っているのか整理してください。
現場別の人工を把握したいのか、作業員ごとの稼働時間を確認したいのかによって、必要な機能は変わります。
特に、一人の作業員が同じ日に複数の現場へ入る会社では作業時間を現場ごとに分けられるかが重要です。
日報を作成できるだけでなく、月末に必要な集計表を出力できるかまで確認しましょう。
現在使っているExcelの集計表があるなら、その表をもとに必要な項目を整理する方法もあります。
データをCSVやExcel形式で出力できるか、集計ルールの変更に対応できるかも、長く使うための判断材料です。
通信環境や情報管理のルールに合っているか
建設現場では場所によってスマホの電波が届きにくい場合があります。
地下や山間部などで作業することが多いなら、通信できない状態でも日報を入力できるか、通信が回復した後に送信できるかを確認しておきましょう。
オフライン入力に対応していないツールでも、作業終了後に通信できる場所から提出する運用が可能かもしれません。現場の状況に合った方法を考えることが大切です。
情報管理の面ではスマホの紛失や退職者のアカウントの扱いにも注意が必要です。
日報には従業員の氏名や勤務状況、現場の写真などが含まれることがあります。
そのため、誰が日報を閲覧できるのか、退職時にアクセスを停止できるのか、データをバックアップできるのかを確認してください。
個人のスマホを業務で使用する場合は利用するサービスやアカウントの管理方法についても、会社としてルールを決めておきましょう。
初期費用・月額料金・運用後の変更費用を確認する
日報のデジタル化にかかる費用は導入方法によって異なります。
入力フォームを自社で作成する場合は既存のサービスを利用して小さく始められることがあります。ただ、集計表の設定や管理方法を整えるための作業は必要です。
クラウド型の日報アプリでは月額料金や利用人数に応じた費用が発生する場合があります。
LINEと外部システムを連携させたり、自社向けに開発したりする場合は初期の開発費用に加え、保守や機能変更の費用も確認しておきたいところです。
比較する際は次の費用を分けて考えましょう。
| 費用の種類 | 確認したい内容 |
|---|---|
| 初期費用 | 設定・開発・データ移行にかかる費用 |
| 月額・年額費用 | サービス利用料やサーバー費用 |
| 利用人数による費用 | 作業員や管理者が増えた場合の料金 |
| 保守費用 | 不具合対応や運用中のサポート |
| 変更・追加費用 | 入力項目や集計機能を変更する場合の費用 |
無料で始められるツールでも、管理者が設定や集計に多くの時間を使っているなら、その作業負担も含めて比較する必要があります。
自社が求める機能と、継続して運用するための費用を整理したうえで選んでください。
日報のデジタル化を進める5つの手順
日報管理をデジタル化する際はいきなりすべての現場へ新しい仕組みを導入する必要はありません。
まず現在の運用を整理し、負担の大きい部分から改善すると、現場の従業員にも使ってもらいやすくなります。
STEP1:現在の日報作成から月末集計までの流れを整理する
最初に確認したいのは誰が日報を作成し、どのように提出・集計しているかという点です。
紙の日報を事務所で回収している会社もあれば、現場の責任者が作業員全員分をまとめて記録している会社もあるでしょう。
次のような項目を書き出しておくと、改善すべき工程がわかりやすくなります。
- 誰が日報を作成しているか
- いつ、どの方法で提出しているか
- 記入漏れや提出忘れを誰が確認するか
- 月末にどの項目を集計しているか
- 集計結果を給与計算や原価管理に利用しているか
日報を回収する時間が負担なら、スマホで提出する方法から検討できます。
一方、社長が月末に何時間もかけて人工を計算しているなら、入力方法だけでなく集計まで見直す必要があるでしょう。
現在の作業を整理し、何を減らすためにデジタル化するのかを決めてください。
STEP2:記録する項目と集計のルールを決める
次に、スマホで入力する項目と、データの集計方法を整理します。
現場名や作業員名は選択式にするのか、作業時間は開始・終了時刻で記録するのか。こうしたルールが統一されていないと、入力後の集計が難しくなります。
人工を自動計算したい場合は会社で使用している換算ルールも確認しましょう。
また、一人の作業員が複数現場を担当する場合、日報を現場ごとに分けて入力するのか、一日の報告にまとめるのかも決めておく必要があります。
ここで意識したいのは入力する情報を増やしすぎないことです。
集計に使わない項目まで毎日入力させると、現場側の負担が大きくなります。最初は必要な情報に絞り、運用を始めてから追加を検討するとよいでしょう。
STEP3:入力方法や導入するツールを選ぶ
必要な項目と集計方法が決まったら、それに対応できるツールを選びます。
入力フォームやLINE、建設業向けの日報アプリ、自社向けシステムなど、選択肢は複数あります。
選ぶ際は現在の業務と照らし合わせて考えましょう。
日報をスマホで提出できれば十分なのか、現場別の人工集計まで必要なのか。目的によって、適した方法は異なります。
また、現場で使用するスマホの種類や通信環境、従業員の人数も確認しておく必要があります。
既製サービスを検討する場合は資料に書かれた機能だけでなく、実際の入力画面や集計結果を見せてもらうと判断しやすくなるでしょう。
STEP4:一つの現場で試験運用し、使いやすさを確認する
導入するツールが決まったら、まず一つの現場や少人数の従業員で試してみましょう。
実際に使ってみると、事務所では気づかなかった問題が見つかることがあります。
作業内容の選択肢が足りなかったり、入力項目が多すぎたりする場合もあるでしょう。スマホからの操作が難しい部分は画面の変更や項目の整理で改善できるか検討してください。
試験運用では現場側だけでなく、事務所で確認・集計する担当者の意見も聞くことが重要です。
日報の提出が楽になっても、集計に使う情報が足りなければ、事務所での作業が増えるかもしれません。
入力から集計まで一通り試し、実際の業務で使えることを確かめてから対象を広げましょう。
STEP5:提出・確認のルールを整え、ほかの現場にも広げる
試験運用で問題がなければ、ほかの現場への導入を進めます。
このとき、ツールの操作方法だけでなく、日報をいつ提出するのか、誰が内容を確認するのかも決めておきましょう。
記入漏れが見つかった際の修正方法や、提出を忘れた従業員への確認方法も必要です。
紙の日報とデジタル入力を一定期間併用する場合はいつ切り替えるのかを決めておくと、二重管理が長引くのを防げます。
運用開始後は日報の提出状況や月末の集計にかかった時間を確認してください。
デジタル化によってどの作業が減ったのか、まだ負担が残っている部分はどこなのかがわかれば、次の改善にもつなげられます。
建設業の日報デジタル化に関するよくある質問
LINEだけで日報を自動集計できますか?
通常のLINEのグループトークで日報を送るだけでは作業時間や人工を自動集計することはできません。
日報の内容をデータとして保存し、現場別や作業員別に計算する仕組みが必要です。
LINEから入力用の画面を開く方法や、LINE公式アカウントと外部システムを連携させる方法などが考えられます。
現場での操作を簡単にしたい場合はLINEを入力の窓口として利用し、集計は別のシステムで行う方法も選択肢です。
作業日報と勤怠管理は一つの仕組みにまとめられますか?
日報と勤怠管理を連携させる仕組みは構築できます。
ただし、日報に記録する現場ごとの作業時間と、勤怠管理で把握する労働時間は必ずしも一致しません。
複数現場を移動した日や、現場作業以外の業務がある日には作業実績だけでは実際の労働時間を把握できない場合があります。
厚生労働省のガイドラインでも、使用者が労働日ごとの始業・終業時刻を確認・記録し、原則として客観的な記録を基礎に労働時間を把握することが示されています。
給与計算や勤怠管理まで一つの仕組みにまとめたい場合は現在の労働時間管理の方法を確認し、必要な記録項目を設計しましょう。
スマホの操作が苦手な従業員がいても導入できますか?
スマホの操作に慣れていない従業員がいても、入力方法を工夫することで導入しやすくなります。
現場名や作業内容を選択式にする、入力する項目を少なくするなど、操作を簡単にする方法があります。
最初は現場の責任者がまとめて入力する運用から始め、慣れてきたら各作業員が入力する方法に変えることも考えられるでしょう。
大切なのは現場の従業員が無理なく続けられる仕組みにすることです。導入前に実際のスマホで試してもらい、使いにくい部分を確認してください。
日報管理システムの導入にはどれくらい費用がかかりますか?
費用は導入する方法や必要な機能によって異なります。
Googleフォームなどを使って小規模に始める方法もあれば、月額料金が発生する建設業向けアプリ、自社向けに開発するシステムもあります。
日報の入力だけでなく、人工の自動集計や原価管理まで必要になると、設定や開発の範囲も変わるでしょう。
TURTUNEでは業務システム開発の費用目安を30万円からとしています。ただし、日報管理システムの具体的な費用は入力方法や集計機能などの要件によって異なります。
まずは現在の日報管理で困っていることを整理し、必要な機能と費用を相談するとよいでしょう。
まとめ|建設業の日報はスマホ入力から集計までまとめて見直そう
建設業の日報をデジタル化する方法には入力フォームやLINE、専用アプリ、自社向けシステムなどがあります。
現場からスマホで日報を提出できるようになれば、紙の回収や受け渡しにかかる手間を減らせるでしょう。
さらに、入力した内容をデータとして保存・集計する仕組みを整えれば、事務所での転記や月末の人工集計も効率化できます。
大切なのは日報の入力方法だけを変えるのではなく、提出された情報をどのように活用するかまで考えることです。
現場の従業員が無理なく入力でき、事務所でも必要な情報を確認できる仕組みを目指しましょう。
TURTUNEでは岐阜県大垣市を拠点に、中小企業向けの業務システム開発を行っています。
実際に、建設会社の日報管理をLINE入力へ切り替え、月末の集計作業を解消した事例もあります。
「紙の日報をなくしたい」「現場別の人工集計を自動化したい」「LINEを使って日報を管理できるか知りたい」といった段階でも、現在の業務についてご相談ください。
✏️ この記事を書いた人
よしだ
フリーランスのライターとして5年間活動。 代表とは高校からの友人。 趣味はサッカー観戦と料理。 毎週末、深夜に遠く離れたロンドンの赤いチームへ声援を送っているので月曜はグロッキー。 家にぬいぐるみが300体以上あり、生態には不明な点も多い。
